エレバス Erebus | |
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ファイル:Mt erebus.jpg | |
標高 | 3,794m |
所在地 | ロス島、南極 |
位置 | 南緯77度32分 東経167度17分 |
山系 | 独立峰 |
種類 | 成層火山 |
初登頂 | 1908年 |
エレバス山(エレバスさん、Mount Erebus)は、南極に位置し地球上で最も南にある活火山である。標高 3,794 メートルで、ロス島西部に屹立している。この島には他にも休止している火山が 3 つある。
この火山は1972年から活動を継続しており、ニューメキシコ工科大学が運営するエレバス火山観測所が設置されている。火口には世界的にもまれな恒常的な溶岩湖が形成されている。
エレバス山を発見したのは、極地探検家ジェームズ・クラーク・ロス卿で、彼が率いてきた船の一隻からその名を取った。最初に登頂を果たしたのはアーネスト・シャクルトン卿の探検隊メンバー、T・W・E・デイヴィッド率いる登山隊で、1908年のことである。山名の「エレバス (Erebus)」は、ギリシャ神話の原初神カオスの息子エレボスに由来する。
火山地質[]
エレバス山は 2005年現在、南極で最も活動的な火山である。エレバス山の山頂火口には世界でも数少ない恒常的な溶岩湖が存在し、一日に何度もストロンボリ式爆発を繰り返している。2005年には小規模な火山灰噴出があり、溶岩湖近傍の火道から溶岩の流出も観測された。多重式成層火山に分類され、下部は楯状を呈しており、その上に成層状の山体が乗っている(エトナ山も同様の構造である)。
エレバス山の現在の噴火活動はアノーソクレース - 斑岩質テフライト質フォノライトとフォノライトで構成され、山頂の溶岩湖はほとんどがこれから成っている。エレバス山の最古の噴出物は、比較的未分化で非粘性の玄武岩質ベイサナイト溶岩で、基部の楯状構造を形成している。わずかに年代の下るベイサナイトとフォノテフライトから成る溶岩が、ファング尾根に分布している。これは初期エレバス山の浸蝕された残存物であり、山腹の地質構造において特異な存在となっている。
粘性の高いフォノテフライトやテフリフォノライト、粗面岩からなる溶岩がベイサナイトの上に噴出した。エレバス山の上部ではテフライト質フォノライト溶岩流が急峻な斜面と大規模な自然堤防を形成している。標高 3,200 メートル付近で顕著に現れる山頂台地は、過去 10 万年以内に形成されたカルデラである。この山頂カルデラは少量のテフライト質フォノライトとフォノライト溶岩で埋められており、その中央に主として崩壊した火山弾とアノーソクレース結晶からなる小さく急峻な円錐丘がある。この山頂をなす円錐丘の内部に前述の溶岩湖が存在する。この火山は最も内側の噴火口にある複数の火道から頻繁にストロンボリ式噴火を生じており、溶岩湖から爆発的に放出されるガス泡は直径 10 メートルにも達する。
航空事故[]
詳細は「ニュージーランド航空901便エレバス山墜落事故」を参照
1979年11月28日、ニュージーランド航空が南極観光を目的に運用していたマクドネル・ダグラス DC-10 がエレバス山腹に衝突し、乗員乗客 257 名全員が死亡した。事故現場にはこれを追悼してステンレス製の十字架が立てられ、南極史跡記念物に指定されている。
関連項目[]
参考文献[]
- 国立天文台編 『理科年表 平成20年』 丸善、2007年。ISBN 978-4-621-07902-7。
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