トムラウシ山 | |
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ファイル:Tomuraushi from chuubetsudake 2006-8-25.jpg 忠別岳から望むトムラウシ山 | |
標高 | 2,141.19[1]m |
所在地 |
北海道上川総合振興局上川郡美瑛町、 十勝総合振興局上川郡新得町 |
位置 |
北緯43度31分38秒 東経142度50分56秒[2] |
山系 | 大雪山系 |
種類 | 成層火山 |
トムラウシ山の位置
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トムラウシ山(トムラウシやま)は、北海道中央部、上川管内美瑛町と十勝管内新得町の境にそびえる、大雪山系ピークのひとつをなす山で標高2,141m。「大雪の奥座敷」と称される。日本百名山に選定されている[3]。
概要[]
トムラウシとは、アイヌ語で「花の多いところ」を意味するとも、「水垢が多いところ」の意だともいわれる。30〜10万年前に活動した火山で、山頂に溶岩ドームがあり、麓の新得町側にはトムラウシ温泉がある。国土地理院の三角点の名称は、「富良牛山」と記されているが[1]、これはアイヌ語起源の地名によく用いられる当て字である。
登山ルートは、新得町・トムラウシ温泉からのもの、東川町・天人峡温泉からのもの、北から白雲岳、忠別岳を経る縦走路などがあるが、かなり奥深い山であるため、最短ルートの新得町からのルートを用いても山頂まで6〜7時間はかかり、山小屋などの設備も少ない。
その上、天候が崩れると夏でも気温は摂氏8〜10度、体感温度は氷点下まで下がることがある。これによる気象遭難事故も度々起きているため、登頂にはツェルト・固形燃料などの非常用装備や夏季でも秋季の北アルプス並の防寒具の持参・経験者の同行が求められる。
しかし、奥深い山である故に、広大な花畑や湖沼などの大自然が荒らされることなく残されており、多くの登山者が憧れてやまない存在である。特に上記の北から縦走してくるルートは、大雪山系の雄大さを余すところなく堪能できる日本屈指の名ルートである。
火山であり、山頂には噴火口もあるが、現在は完全に活動を停止している。噴火口は一部が崩れていてU字型になっており、初夏には火口の底に小さな湖ができる。山の周囲には標高の高い岩場が広がっており、高山植物が多数生息するとともにナキウサギの生息地になっている。
宿泊施設としては、山頂の北へ約2時間ほど下ったところにあるヒサゴ沼に無人の小屋があるが、夏場は込みあうこともあり、テントを持参するのが賢明と言える。
遭難事故[]
夏場でも2件の死亡事故例が報告されている。
- 2002年7月11日、夏山登山に来た4名、8名、2組のパーティーが暴風雨で遭難し、山中に足止めされ、2日後に救出されたものの、2名の女性が脳梗塞や低体温症で死亡する事故が発生した。事故を発生させたガイドは業務上過失致死で起訴され、2004年10月5日に旭川地方裁判所はガイドに対し、禁固8ヶ月、執行猶予3年の判決を下した[4]。
- 2009年7月16日、夏山登山に来た中高年のグループ18人(うちガイド3人)が天候急変による低体温症で遭難し、単独登山の1人やガイド1人と合わせて9名が死亡する遭難事故が発生した[5]。詳しくはトムラウシ山遭難事故を参照。
トムラウシ山 画像ギャラリー[]
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 基準点成果等閲覧サービス:旭川-旭岳-トムラウシ山(国土地理院、2010年12月30日閲覧)
- ↑ 日本の主な山岳標高:北海道(国土地理院、2010年12月30日閲覧)
- ↑ 『日本百名山』深田久弥(著)、朝日新聞社、1982年、ISBN 4-02-260871-4
- ↑ 遭難事故 2002年7月トムラウシ
- ↑ 大雪山系で遭難、10人死亡(北海道新聞、2009年7月17日)
参考文献[]
関連項目[]
- 日本の山一覧
- 日本百名山
- 大雪山国立公園
外部リンク[]
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