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Voyager 1 entering heliosheath region

ヘリオポーズとボイジャー1号・2号の位置(2006年6月)(イラスト)

ヘリオポーズ (Heliopause) とは、太陽から放出された太陽風星間物質銀河系磁場と衝突して完全に混ざり合う境界面のこと。太陽風の届く範囲を太陽圏、または太陽系圏ヘリオスフィア (Heliosphere) などと呼ぶが、その宇宙空間との境目を表す用語である。

概要[]

太陽系の外縁部に達した超音速の太陽風は、まず星間物質や星間磁場によって亜音速にまで急減速されて末端衝撃波面 (Termination Shock) を形成し、低速度の太陽風と星間物質とが混ざり合うヘリオシース (Heliosheath) という領域を経て、ヘリオポーズで完全に星間物質に溶け込んでいる、とされている。更に、太陽系は銀河系の中を公転しているため、ヘリオポーズ外側の公転の進行方向には、公転による星間物質とヘリオポーズとの衝突で生じるバウショック (Bow Shock) と呼ばれる衝撃波面が形成されていると考えられている。

ヘリオポーズまでの距離は学説によりばらつきがあるが、概ね太陽から50~160天文単位(太陽から冥王星までの距離のおよそ1.2~4倍)の位置にあると推定されている。そもそも太陽圏の形や大きさは、太陽活動の変化や太陽が通過する星間空間の物質密度などによって常に変化していて、銀河磁場の影響で進行方向の反対側に流されて広がった、ちょうど巨大な彗星のようないびつな形をしていると考えられるため、ヘリオポーズの位置や太陽からの距離を厳密に特定するのは難しい。

エッジワース・カイパーベルトの分布範囲は概ねヘリオポーズの内側にあるが、このベルトに属する一部の天体はヘリオポーズを出入りしたりその外側に位置する場合もあると考えられる。現在発見されている太陽系天体で最大の軌道長半径を持つセドナは、近日点付近以外の大部分の期間ヘリオポーズの外側にいるとも考えられるが、太陽圏の形が不明確であるため定かではない。2008年に神戸大学のパトリック・リカフィカ向井正らが発表した惑星Xの予想軌道も、その一部または全部がヘリオポーズの外側に位置している可能性がある。オールトの雲は完全にヘリオポーズの外側にある。

2005年5月24日ボイジャー1号が人工物として初めて、太陽からおよそ90天文単位の位置で末端衝撃波面を通過しヘリオシースに到達した最初の宇宙探査機となり、ボイジャー2号の観測と併せてヘリオポーズが宇宙の磁場の影響を受けて歪んでいることを突き止めた。

関連項目[]

外部リンク[]