ラハール(インドネシア語:Lahar)は、火山噴火の際に大量の水分を含んだ火山灰などの噴出物が山の斜面を流れ下る現象である。火山泥流(かざんでいりゅう、volcanic mud flow)とも呼ばれる。1919年、インドネシアのケルート山の噴火で初めて科学的に調査され、現地語から命名された。
火山の山頂部が雪や氷河に覆われていた時に噴火が起こり、その高熱によって雪や氷河が融解した際に発生する(火口湖の水で満たされている時も同様)。大量の水分を含んでいる為に流下スピードは極めて速く、時速100kmを超えることもある。
また、大量の火山灰が周辺に降り積もった後に豪雨などで流下する場合もラハールと呼ぶ(日本では土石流と呼んでいる)。
歴史に残る事例[]
- インドネシアのケルート山
- 1586年 - 死者1万人
- 1872年 - 死者200人
- 1966年 - 死者282人。
- 1919年5月20日 - 火口湖の水がラハールとなり、麓の村を直撃。死者5,100人。
- 1926年5月24日、北海道の十勝岳 - 噴火で山頂付近の雪が融解し、泥流が発生した。死者144名。
- 1985年11月13日、南米コロンビアのネバドデルルイス火山 - 火砕流で山頂付近の氷河が融解した事で大規模な泥流が発生し、麓のアルメロ市を壊滅させた。死者21,500名。
- 1991年、フィリピンのピナトゥボ山 - 20世紀最大の大噴火。大量に降り積もった火山灰が雨季になる度に豪雨で流下した。
- 2010年、インドネシアのムラピ山
関連項目[]
文学[]
- 『泥流地帯』三浦綾子-1977年、大正十勝岳噴火
- 『死都日本』石黒耀-架空の近未来加久藤カルデラの破局噴火
外部リンク[]
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