噴火予知(ふんかよち、prediction of volcanic eruption)とは、火山の噴火による被害を軽減するために、噴火の時期・場所・様式をあらかじめある程度予測すること。地震予知よりも予測がた易く、現在(2007年)ではかなりの高確率に予測を行うことが出来る。
噴火の前兆現象[]
火山の噴火は、地震と違い明らかな前兆現象が見られる。多くの火山では噴火の数か月から数時間前に、震源の浅い火山性地震が発生し、噴火に向けてその発生回数が増えていき、低周波の火山性微動も発生する。また、火口付近が急激に隆起したり、火山の地下の電気抵抗が急減したり、地磁気が変化したりするなどの現象が見られることもある。さらに、地下水の温度の上昇や、火山ガスの化学組成の変化が見られることもある。これらの現象が起こると火山活動も活発化していると判断されるが、噴火に至らずそのまま火山活動が低下していくこともある。
予知の成功例としては、2000年の有珠山の噴火が有名である。逆に、火山活動活発化が見られたのに噴火しなかった例として、1998年の岩手山の火山活動の活発化があげられる。また、2000年の富士山では、火山性の低周波地震が頻発し、噴火の前兆ではないかとも一部で騒がれたが、その後沈静化していった。
予知の取り組み[]
火山大国の日本では、ハザードマップを作成し、マグマの被害が及ぶであろう範囲を指摘したり、GPSを利用して、火山の隆起沈降の度合いを調べたり、約30の活火山では、気象庁や大学などの研究機関が観測所を設けたりして連続観測を行っている。もし火山活動に異常が見られた場合には「火山現象による災害で防災上の注意喚起が必要」ということで、臨時火山情報が発表される。さらに噴火の危険が差し迫った場合には「火山現象による災害から人の生命及び身体を保護するために必要と判断される場合」ということで、緊急火山情報が発表される。この情報が出されると、付近の住民は避難しなければならない。
このように様々な方策がとられているが、かならずしも、予知が成功する訳ではなく、予期せずあるいは予期した以上の噴火が発生したり、異常があっても噴火しないこともある。