太陽フレア(Solar flare)とは、太陽の大気中に発生する爆発現象であり、多波長の電磁波による増光によって定義される。太陽の活動が活発なときに、太陽黒点の付近で発生する事が多く、こうした領域を太陽活動領域と呼ぶ。
フレアの規模は、X線の強度により分類され、X、M、Cの等級があり、Xが一番強い。フレアの発生機構としては、太陽活動領域中に蓄えられた磁気エネルギーが、磁気再結合によって、熱エネルギーや運動エネルギーに変換されることによるという説が有力である。全てのフレアを説明するモデルとして、「統一フレアモデル」(柴田一成(京都大学教授))がある。
フレアが発生すると、多くのX線、γ線、高エネルギー荷電粒子が発生し、惑星間空間に放出される(コロナル・マス・エジェクション)。高エネルギー荷電粒子が地球に到達すると、デリンジャー現象、磁気嵐、オーロラ発生の要因となる。2003年は、大規模なフレアが頻発し、デリンジャー現象により、地球上の衛星、無線通信に多くの悪影響を与えた。また地球磁気圏外では、フレア時のX線、γ線によって、人の致死量を超えることもある。
フレア時の高エネルギー荷電粒子の地球への到達、あるいは、フレアの発生そのものを予報することは宇宙天気予報と呼ばれ、太陽研究者にとって重要課題となっている。
太陽フレアの観測は、1859年にイギリスの天文学者、リチャード・キャリントンによって初めて行われ、現在では他の様々な天体でも観測されている。
過去に観測された大規模フレア[]
- 2006年12月5日:X9.1
- 2003年11月4日:X28(観測史上最大)
- 2003年10月28日:X17.2
- 2003年10月23日:X5.4
- 2001年4月3日:X17
- 1989年10月19日:X13
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