御釜(五色沼) | |
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ファイル:Zao.jpg 南側の刈田岳から見た御釜。写真左の尾根が外輪山の「馬の背」、写真右の尾根が中央火口丘の「五色岳」。 | |
所在地 |
宮城県柴田郡川崎町 北緯38度8分11.94秒 東経140度26分58.73秒 |
面積 | 0.9 km² |
周囲長 | 1.08 km |
最大水深 | 27.6 m |
平均水深 | 17.8 m |
水面の標高 | 1,550 m |
成因 | 火山噴火 |
淡水・汽水 | 淡水(酸性) |
湖沼型 | 酸栄養湖 |
御釜(おかま)は、宮城県柴田郡川崎町にある[1]火口湖のことで、五色沼(ごしきぬま)とも呼ばれる。蔵王連峰の観光のハイライトとして知られる。
概要[]
御釜は、蔵王連峰の中央部の最も標高の高いエリアにある。同エリアはカルデラとなっているが、外輪山は東側が崩壊している。外輪山の尾根をたどると北側が「ロバの耳岩」(地図)辺りから西側の「馬の背」(地図)を経て南側の「刈田岳」(標高1,758m。地図)に至るラテン文字の「C」、あるいは、馬蹄形になっている。この外輪山の内側に標高1,674mの「五色岳」(地図)という中央火口丘(後カルデラ火砕丘)があり、同岳の西側中腹に直径約400mの爆裂火口がある[2]。この火口の底に水が溜まってできた火口湖が「御釜」である(カルデラ湖や火口原湖ではない)。
刈田岳頂上には「蔵王連峰」の名称の由来となった「刈田嶺神社(奥宮)」(地図)があるが、特に同神社周辺から見ると御釜は、外輪山の「馬の背」と爆裂火口によってえぐられた中央火口丘の「五色岳」とによってぐるりと周囲を囲まれているように見え、水を入れた釜に例えることが出来る。また、御釜の湖水は、火山活動によって度々沸騰している。御釜という名称のはっきりした由来は不明だが、このような周囲の地形、あるいは、火山活動による水温上昇や水蒸気爆発との関係で語られることがある。「カルデラ」はスペイン語で「釜」の意だが、これの和訳という説は見られない。
御釜(五色沼)[]
水は常に淡い緑色に濁り、その色調は季節によって様々である。水質は、pH=3.5の酸性であり、生物は一切生息していない
御釜は、濁川と言う河川の源流である。東に向けて流れ出ており、遠刈田温泉の手前で澄川と合流して松川と名を変え、さらに白石川、阿武隈川を経て太平洋に注ぐ。激しい噴火活動があると、この川に沿って泥流が流れる傾向がある。
火山活動[]
蔵王の火山活動は、約100万年前から始まったとする説もある[3]が、少なくとも70万年前には始まっていたと考えられている[4]。約3万年前には山体崩壊が発生してカルデラが形成された[3]。その後、約3000年~2000年前頃の活動で東側の外輪山が崩壊し、現在のような東側に開いたC形あるいは馬蹄形の外輪山となった[4]。約2000年前からは同外輪山の内側での活動により中央火口丘(後カルデラ火砕丘)である五色岳が形成された[3]。当初の火口は、現在の五色岳の最高部の南側、すなわち、現在の御釜の中心から見て南東方向にある窪地である(地図)[3]。
御釜は、1182年(養和2年)の噴火により誕生した。1820年(文政3年)以降に水が溜まり始めたと推定されている。
なお、最新の噴火は1918年(大正7年)に発生し、噴気が発生した。その後、噴火には至っていないが、1939年(昭和14年)頃に水温の上昇が見られた。現在も湖底に何箇所かの気孔が存在し、火山ガスの継続した噴出が続いている。
ギャラリー[]
ファイル:Zao 2006 Sanctuary.jpg | ファイル:Zao L.Okama.JPG | ファイル:Zao okama lake.JPG |
馬の背(北)から2006年9月に撮影。正面は外輪山の刈田岳 | 馬の背(西)から2009年8月に撮影。正面は中央火口丘の五色岳 | 刈田岳(南)から2005年4月に撮影。左の尾根は外輪山の馬の背、右の尾根は中央火口丘の五色岳 |
交通アクセス[]
御釜へは、宮城県、山形県両県からアクセスすることが出来る。アクセス路となるのは蔵王エコーライン(宮城県道・山形県道12号白石上山線)である。蔵王エコーラインへと向かうには、宮城県側は東北自動車道・村田IC及び山形自動車道・宮城川崎ICが、山形県側は山形自動車道・山形蔵王IC及び東北中央自動車道・山形上山ICが最寄のインターチェンジとなる。
車で御釜の観覧ポイントまで直行するには、蔵王エコーラインから有料道路である「蔵王ハイライン」に入り、終点の蔵王レストハウス駐車場に車を止める形になる。蔵王レストハウス(地図)自体も、御釜の観覧ポイントであるが、そこから遊歩道を使って刈田岳頂上や馬の背に向かうこともできる。
また、蔵王エコーラインの宮城県・山形県県境付近に、大型駐車場である「刈田駐車場」(地図)があり、そこに車を止めて、山形交通が運営する「山交リフト」、もしくは登山道で馬の背の稜線上に出ることもできる。
ただし、蔵王エコーラインには冬季閉鎖期間があり、冬季の御釜へのアクセスは、冬山登山によるもの以外は不可能となる。
脚注[]
関連項目[]
- 五色沼
- 日本の湖沼一覧
- 蔵王県境裁判
- 鬼首カルデラ(雌釜および雄釜間歇温泉)
- 宮城県の観光地
外部リンク[]
- 蔵王山(気象庁)
- 蔵王山(国土交通省九州地方整備局桜島国際火山砂防センター)
- 蔵王町観光協会公式サイト (御釜を紹介したページがある)