新潟神戸歪集中帯 (Niigata Kobe Tectonic Zone, NKTZ)は新潟神戸構造帯とも呼ばれ、新潟から琵琶湖を経て神戸に延びる幅約200Kmの地質学的な歪みの集中帯で、名古屋大学の鷺谷威により提唱された。幾つかの観測結果から「地下には、比較的柔らかい岩盤が存在している」事が明らかになっている。
調査研究[]
国土地理院ではGPSを使ってこの地域の地殻の変動量を2005年から2008年まで精密に調査した。その結果、新潟-神戸構造帯より西側の地殻は東へ移動し、東側の地殻は西へと移動していることが判明した、逆断層を形成するような運動をしていて、変動量は年間1-2cmであった。
この歪みの集中帯を日本海東縁に延びるプレート境界の一部(日本海東縁変動帯)とする説[1]があるが、マントルを含めた地殻の運動モデルの分析ではプレート境界説は否定的である[2]。
主な地震[]
この集中帯域では、M6.5~M7 以上の歴史的な地震が多く発生している。
18世紀以降の主な地震を抽出すると、
- 1751年5月21日 新潟県高田付近 (M7.0~7.4)
- 1762年10月31日 佐渡島北方沖 (M7.0)
- 1802年12月9日 佐渡、小木地震 (M6.8)
- 1894年10月22日 庄内地震 (M7.0)
- 1828年12月18日 三条地震 (M6.9)
- 1847年5月8日 善光寺地震 (M7.4)
- 1891年10月28日 濃尾地震 (M8.0)
- 1948年6月28日 福井地震 (M7.1)
- 1964年6月16日 新潟地震 (M7.5)
- 1965年8月3日頃から松代群発地震 (M6.4相当)
- 1995年1月17日 兵庫県南部地震 (M7.3)
- 2004年10月23日 新潟県中越地震 (M6.8)
- 2007年7月16日 新潟県中越沖地震 (M6.8)
等が発生している。
脚注[]
- ↑ 日本列島における地震発生メカニズムに関する研究 (PDF)
- ↑ 新潟-神戸歪集中帯はプレート境界か? (PDF)
関連項目[]
参考文献[]
- 岡村行信ほか「日本海東縁の地質学的歪み集中帯」、『日本地質学会学術大会講演要旨』第106巻、日本地質学会、1999年、116頁。
- ネットワーク MT 法による新潟-神戸ひずみ集中帯の深部比抵抗構造 (PDF) 京都大学 防災研究所 地震防災研究部門
- 地震研究最前線 (PDF)
外部リンク[]
- 新潟-神戸歪 集中帯について 内閣府
- 新潟県中越地震の地質学的背景 (PDF) 新潟大学
- 中越地震の基本的要因と特性 宮下純夫、豊島剛志、小林健 新潟大学
- 日本列島標準3次元構造モデルの構築 地震予知情報センター
- 『新潟-神戸ひずみ集中帯』と日本の地震活動 神戸安全ネット会議事務局
- 歪集中帯で起こっていることー上部地殻の非弾性変形ー (PDF)
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