日本秘湯を守る会(にほんひとうをまもるかい)は、朝日新聞社系列の旅行会社である朝日旅行が主催する、温泉旅館による組織(中間法人)である。
朝日旅行会(朝日旅行の前身)の創業者である岩木一二三によって1975年4月に設立された。全国各地の旅館が会員として登録している。登録においては、その加盟申請した旅館が会としての秘湯の基準を満たしている必要がある。数時間の登山をしなければ辿り着かない一軒宿や、自家発電のみ、固定電話無しの施設も珍しくない。会員旅館が極めて少ないためか宿同士の交流が深く、宿泊帰りに別の会員旅館を勧めてくれることもある。加盟しているのは、おおむね小規模から中規模の旅館で、民芸調・純和風旅館・山小屋風など秘湯のイメージに沿う施設が多い。一軒宿の比率も高い。
会員旅館である事を示す提灯は各旅館の玄関先に下げられていることが多く、テレビの旅行番組などではおなじみの光景。この提灯を頼りにその日の宿泊先や入浴先を決める客も多い。
旅行代理店や宿泊予約サイトを通さずに直接予約により宿泊した場合は、専用のスタンプ帖に宿オリジナルのスタンプを押してもらえて、スタンプが10個貯まるとその中から希望の宿に無料で再度宿泊できる。
発足時に33軒であった会員は1977年には38軒になり、同じ年に「日本秘湯を守る会」監修、「朝日旅行会」発行による「日本の秘湯」が創刊された。以降約2年ごとに改訂が続けられ、2006年発行の第16版には185軒が収録されている。
ただし、加盟申請を行った宿だけによる会であるため、誰もが秘湯と認めるような宿がすべて加入している訳ではなく、逆に現在では建物の大規模な改築や周辺の観光開発の進展等により秘湯のイメージが薄らいでいる宿が、そのまま継続して会員となったままの宿もある。