根室半島沖地震(ねむろはんとうおきじしん)とは、北海道根室半島の南東沖の太平洋で発生する地震。過去数回発生している。
根室半島南東沖の大地震は、大きく分けて2種類あると考えられている。
- M7.9前後、発生間隔約70年ほどの地震。1973年根室半島沖地震がこのタイプ。
- M7.1前後、発生間隔約20年ほどの地震。
いずれも、北海道が乗る北アメリカプレートの下に太平洋プレートが沈み込んでいる千島海溝で起こる海溝型地震。
1973年と同型の巨大地震[]
西隣の領域で発生する十勝沖地震と連動して発生する場合もあるとされ、その場合はM8を超えると推定されている。
1894年[]
1894年3月22日に発生。M7.9と推定されている。
1973年[]
1973年6月17日12時55分に発生。M7.4(気象庁)、震源は根室半島南東沖の東経146度00分、北緯42度56分の地点で、震源の深さは40km。釧路と根室で震度5を観測したほか、北海道全域と東北・関東の太平洋側で有感となった。なお、モーメントマグニチュード(Mw)は7.8と推定される。
震源域は、千島海溝に並行な長辺200km弱・短辺100km強の長方形の領域で、釧路町尻羽岬沖から多楽島・色丹島の中間地点の沖に相当する。
地震発生から11分後の13時6分に北海道の太平洋沿岸、それから7分後の13時13分に東北地方の太平洋沿岸に津波警報がそれぞれ発表された。根室市花咲港で最大2.8mを観測したのをはじめ、太平洋岸各地に津波が到達した。浸水被害が300棟近くに達し、負傷者26人であったが、幸いにも死者は出なかった。
なお、6月24日11時34分にM7.3、釧路で最大震度5を観測する余震が発生し、この地震でも津波が発生したが、死者などの大きな被害は出ていない。
余震などを考慮してMの総量を考えるとM7.7程度になると考えられ、70年周期の大地震に該当すると見ることができる。
それ以外の根室半島沖地震[]
1900年[]
1900年12月25日発生。M7.1、震源の深さは浅いと推定。震源は北緯約43度、東経146度付近とやや不正確な推定しかない。
1968年[]
1968年1月29日10時19分発生。M7.2、震源の深さ35km。震源は北緯43.5度、東経146.8度と推定され、色丹島南方沖に位置する。
2000年[]
2000年1月28日23時21分発生。M7.0、震源の深さ59km。根室市や釧路市などで震度4。海溝型ではなく、スラブ内地震の可能性が高い。
2004年[]
2004年11月29日3時32分発生。M7.1、震源の深さ48km。釧路町、弟子屈町、別海町で震度5強。震源地域名は「釧路沖」だが根室半島沖地震の震源域の北西端に位置する。
出典[]
- 千島海溝沿いの地震活動の長期評価について 2004年12年20日(発生確率は2009年1月1日時点)
- 1973年6月17日根室半島沖地震の震源域再評価 気象庁 地震予知情報課
- 1973年6月17日根室半島沖地震について 気象庁 地震活動検測センター
- 宇津検索
外部リンク[]
- 1973年根室半島沖地震 根室測候所
関連項目[]
- 十勝沖地震 : 西隣の領域で発生する海溝型地震。
- 色丹島沖地震 : 東隣の領域で発生する海溝型地震。
- 釧路沖地震 : 北隣の領域で発生するスラブ内地震。
- 北海道東方沖地震 : 北隣の領域で発生するスラブ内地震。
テンプレート:日本近代地震