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座標: 北緯36度32分38秒 東経138度12分22秒 / 北緯36.54389度 東経138.20611度 / 36.54389; 138.20611 気象庁精密地震観測室(きしょうちょう せいみつじしんかんそくしつ)は、長野県長野市松代地区の松代大本営跡にある地震観測所で、日本最大級の地震観測施設である。

正式名称は気象庁地震火山部地震津波監視課精密地震観測室(きしょうちょう じしんかざんぶ じしんつなみかんしか せいみつじしんかんそくしつ)である。

群列地震観測システムと呼ばれる観測機構を持っている。同システムは、直径 10kmの円周上に6地点、ほぼ中央に2地点の合計8地点に高精度の地震計を配置し、データはコンピュータ処理され、「1観測点で捉えられない微弱な地震波を検出」、「震源の距離と方向を求める」などを行う[1]

概要[]

1965年8月3日から始まった松代群発地震で貴重なデータを採取するなど、日本における地震観測研究の中心的組織である。

包括的核実験禁止条約に基づく地下核実験の探知も行っており、ここの地震計で観測されているデータはオンラインウィーンにある国際データセンター(IDC)に伝送されている(核爆発による地震動は一般の地震動と波形が異なる)。

しかし、近年は周囲に上信越自動車道長野新幹線が開通する等しているため、これらの建造物から発生する雑振動(ノイズ)が観測に与える影響が懸念されている。

なお、気象庁精密地震観測室と同じ松代大本営跡松代地震センターがあるため、気象庁精密地震観測室と松代地震センターが混同されることがある。任務も関連しているが両者は全く別組織である。

沿革[]

  • 1944年11月11日 大本営の移転工事開始(1945年8月15日工事中止)。
  • 1947年5月1日 「中央気象台松代分室」を設置。
  • 1948年2月13日 「中央気象台松代地震観測所」に改称。
  • 1949年5月7日 ウィーヘルト地震計による観測開始。以後各種地震計、傾斜計を設置して観測。
  • 1949年6月1日 「地震観測所」に改称。
  • 1951年4月1日 百葉箱設置。気象観測開始。
  • 1965年8月3日 松代群発地震が始まる。
  • 1967年2月8日 「松代地震センター」(関係省庁、地震観測所と長野県による協議体)設立。
  • 1992年4月1日 震度計による計測震度観測開始。
  • 1995年4月1日 「気象庁地震火山部地震津波監視課精密地震観測室」に改称。

組織[]

室長の下、主任研究官と研究官、および観測係、調査係、総務係が置かれている(2006年7月現在)。

任務[]

  • 中規模以上の地震の精密観測および通報。
  • 地殻変動の観測。
  • 地震観測機器の保守と試験および改良。
  • 各種調査研究業務。
  • 地震観測報告の刊行および配布。
  • 国際協力(核実験探知を含む)。
  • 気象庁地震火山部、アメリカ地質調査所等に対する地震観測の報告。

関連項目[]

脚注[]

外部リンク[]