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赤城山
ファイル:MountAkagi.jpg
南東から見た赤城山
標高 1827.6m
所在地 群馬県前橋市桐生市
渋川市昭和村沼田市
位置 北緯36度33分37秒
東経139度11分36秒
種類 複成火山活火山ランク C)
赤城山の位置
ファイル:Maebashi20080227.jpg

前橋市中心部から見た赤城山

ファイル:Akagiyama ono.jpg

奥に長七郎山と地蔵岳
手前に大沼と赤城神社

ファイル:Kakumanbuchi.jpg

覚満淵

赤城山(あかぎさん、あかぎやま)は、関東地方の北部、群馬県のほぼ中央に位置し、太平洋プレートがオホーツクプレートに沈み込んでできた弧島型火山である。また、赤城山はカルデラ及びカルデラ湖を持つ関東地方で有数の複成火山である。

榛名山妙義山と並び、上毛三山の一つに数えられている。また、日本百名山日本百景の一つにも選ばれている。中央のカルデラの周囲を、円頂を持つ1,200mから1,800mの峰々が取り囲み、その外側は標高にして約800mまでは広く緩やかな裾野の高原台地をなしている。

カルデラ内の大沼の東岸、最高峰黒檜山の山麓に当たる場所に赤城神社があり、山麓各地に里宮があるほか、関東一円に末社が分布している。

火山活動[]

50万年前に活動を開始し、標高2,300m程度の安山岩質(Sio2 54 - 60%)の溶岩スコリアから成る成層火山を形成した。20万年前ごろから二酸化ケイ素の量が増えて溶岩がデイサイト質になり、それに伴い爆発的噴火が多発し、火砕流や山体崩壊による岩屑なだれが山麓に流下して現在の広い山麓を形成した。約5万年前には湯の口降下軽石を噴出し現在の山頂カルデラを形成した。3万年前には鹿沼降下軽石を噴出した。約2万年前に地蔵岳溶岩ドームと小沼タフリングを形成した。これを最後に大規模なプリニー式噴火は途絶えている。

最新の噴火[]

吾妻鏡」の中に「建長三年四月十九日(1251年5月11日)赤木嶽焼」とある(赤木嶽は当時の呼び名)。この記述を根拠に気象庁活火山に指定しているが、噴火に相当する堆積物は見つかっていない。

カルデラ内にある最新の火山活動地形(同時噴火で形成された小沼タフリング・血の池火口)は、約2万4000年前に形成されたと推定されており、それを榛名山が6世紀に起した噴火で降らせた、榛名伊香保降下軽石が表面を覆っていることから、吾妻鏡の記述は山火事を意味する可能性が高いという考察がある。南麓の寺の火事のことではないかという一説もあり、「概ね過去1万年以内に噴火した火山」と定義されている活火山には該当しないとする考え方が、専門家の中で有力視されてきている。なお、赤城山の活火山判定は専門家の間で、更なる議論が必要である。

山の構成[]

最高峰の黒檜山(くろびさん、1,828m)を始め、駒ヶ岳(1,685m)、地蔵岳(1,674m)、長七郎山(ちょうしちろうさん、1,579m)、鍋割山(なべわりやま、1,332m)などの山頂を持つ。赤城山は、その総称である。

中央部のカルデラ内には、火山湖大沼(おおぬま、おの)や覚満淵(かくまんぶち)、タフリングの小沼(こぬま、この)がある。

また、地蔵岳山頂には、各電波通信の赤城中継局が置かれている。

赤城颪(あかぎおろし)[]

冬期の関東平野に吹く特有の北風「空っ風」を、群馬県平地部や埼玉県北西部では赤城颪(あかぎおろし)と呼ぶ。この語源は赤城山の方角から吹くため。上毛かるたの読み札には『雷(らい)と空風(からっかぜ) 義理人情』とあり、群馬県を語る上で空っ風の存在は外せない。

赤城山の読み方[]

上毛かるたの読み札に『裾野は長し赤城山(あかぎやま)』とあるように、群馬県民の間では「あかぎやま」と呼ばれ、親しまれている[1]。地元の道路案内標識での表記は「赤城山Mt.Akagi」のほかは、「赤城山Akagiyama」または「赤城山Mt.Akagiyama」である。また、昭和時代の郷土力士である赤城山晃藤岡市出身)の四股名の読み方も「あかぎやま」である。

一方、国土地理院の地図では「あかぎさん」を第一とし、「あかぎやま」は備考として扱われている[2]。また、赤城山周辺にいくつかある「赤城山」という地名は、いずれも「あかぎさん」と読む[3]

このほか、日本酒の銘柄である「赤城山」は、どちらの読みでも構わないという蔵元の考えから、ラベル等にはあえて振り仮名を記していない[4]

伝説・伝承[]

日光男体山の北西麓の戦場ヶ原には、男体山の神と赤城山の神がそれぞれ大蛇と大ムカデになって戦い、男体山の神が勝利をおさめた、という伝説がある。赤城山の北にある老神温泉の地名は、このとき落ち延びた神が追われてやってきたことに由来するといわれ、「アカギ」という山名も神が流した血で赤く染まったことから「赤き」が転じたという説もある。 また、戦場ヶ原で負けた赤城山の神は老神温泉で傷を癒した後に男体山の神を追い返したという。

江戸川沿いにある千葉県流山市には、赤城神社の祀られた小山があり、大洪水の際に赤城山の山体の一部が流れてきたものだ、という伝説がある。「流山」という地名はこれに由来するという。

赤城山といえば、上州・国定忠治で有名であり、明治、大正、昭和初期に講談新国劇の題材として大人気だった。国定忠治の一節「赤城の山も今宵限り、生まれ故郷の国定村や、縄張りを捨て国を捨て、可愛い乾分(こぶん )の手前(てめえ) たちとも、別れ別れになる首途(かどで)だ。」の台詞で、この山の名前が全国に広がった。

登山[]

赤城山ビジターセンターから黒檜山や駒ヶ岳などに登ることができる。赤城山ビジターセンターから黒檜山頂までは片道1時間半くらいである。

交通[]

南面

  • 路線バス
    • 前橋駅
      • 赤城ビジターセンター行(6 - 10月以外は、富士見温泉で乗換)
      • 赤城温泉行(南面)
      • 赤城青年の家行(南面)

東武鉄道が長年「赤城山大洞」「赤城青年の家」「畜産試験場」の路線を運行していたが、東武鉄道の群馬県撤退を機に関越交通が継承し、行き先を変更した。

鉄道[]

現在JR東日本が運行する特急列車あかぎ」と、かつて東武鉄道が運行していた急行列車あかぎ」の列車愛称の由来ともなった。なお、1967年までは利平茶屋から赤城山頂まで赤城登山鉄道が運行されていた。

連絡道路[]

カルデラ内への連絡道路

  • 群馬県道4号前橋赤城線
  • 群馬県道251号沼田赤城線
  • 群馬県道16号大胡赤城線

赤城山にちなむ名前[]

  • 大日本帝国海軍航空母艦赤城
  • みどり市にある上毛電気鉄道上毛線東武鉄道桐生線赤城駅
  • 群馬県内の小学校における運動会の組分け「赤城団」[5]
  • ガリガリ君』を製造している赤城乳業
  • 藤岡市出身の力士、赤城山晃(再掲)
  • 沼田市出身の力士、栃赤城雅男
  • 第38回国民体育大会の「あかぎ国体」
  • JR東日本が運行する特急「あかぎ」(再掲)
  • 東武鉄道が運行していた急行列車あかぎ」(再掲)

赤城山に関する作品[]

  • 漫画・アニメ・ゲーム『頭文字D』:公道レースを行う集団「赤城レッドサンズ」のレース拠点。
  • ゲーム『アウトモデリスタ
  • ゲーム『バトルギア』シリーズ
  • ゲーム『街道バトル2 CHAIN REACTION』、『KAIDO-峠の伝説-』:劇中のサーキットとして登場する。

関連画像[]

関連項目[]

ウィキメディア・コモンズ
  • 国定忠治
  • 日本百名山
  • 赤城山スキー場
  • 赤城登山鉄道
  • 赤城山ロープウェイ
  • 赤城山トレイルランニング・レース

脚注[]

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  1. 県立赤城公園 群馬県環境森林部自然環境課サイト
  2. 日本の主な山岳標高 国土地理院サイト→群馬県を選択
  3. 前橋市の「富士見町赤城山」(ふじみまちあかぎさん)(郵便番号371-0101)、桐生市の「新里町赤城山」(にいさとちょうあかぎさん)(郵便番号376-0137)、渋川市の「北橘町赤城山」(ほっきつまちあかぎさん)(郵便番号377-0051)がある。
  4. ただし、蔵元のサイトのURLは「akagisan」となっている。近藤酒造株式会社
  5. 群馬県内の小学校では、運動会の組分けを、上毛三山の名前を用いて「赤城団」(チームカラーは赤)、「榛名団」(青)、「妙義団」(黄)の3組とし、対抗させることが多い。かつては「浅間団」(白、浅間山に由来)を含めることが多かったが、少子化の影響で4組対抗が困難になっている。

外部リンク[]

sk:Akagi (sopka)