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造山運動の痕跡が残る地層帯

造山運動(ぞうざんうんどう、orogeny)とは、大山脈弧状列島を形成するような地殻変動のこと。特定の時期に狭い帯状の地域で生じる。

かつて地向斜理論によってその形成過程が説明されていたが、プレートテクトニクス理論が登場してからはプレート運動による成因が論じられるようになり、また造山運動という言葉自体が学界ではあまり使われなくなった(ただし一般にはしばしば見かけられる)。

過程[]

地向斜造山論では、造山運動の過程には次のようなサイクルが存在するとされる。このサイクルを造山輪廻と言う。

第一段階(堆積期)[]

地表表面の大規模に沈降が起こっている地帯(=地向斜)は、ほとんどが海底に存在しているが、海底火山活動による塩基性火山岩類の堆積物が厚く堆積し、10,000mを超える程の地層が出来る。

第二段階(造山期)[]

こうして深い海の堆積物と浅い海の堆積物が複雑に重なり、地向斜の一部に褶曲山脈が形成され始めると、圧縮力により周辺の地向斜に複雑な断層や堆積運動が起こる(フリッシュ)。さらにこの圧縮力により地下深くの溶けた岩石マグマとなって貫入し、花崗岩類が生じる。その後運動の進展とともに、隆起による高い褶曲山脈が出現する。

第三段階(侵食期)[]

隆起運動が収まってくると、以後は風雨による浸食作用によって次第に低くなり、ついには準平原となる。

造山運動の識別[]

数十億年前の造山運動についてはよくわかっていないが、古生代以後約6億年前以降のそれについてはその実態が知られている。

  • カレドニア造山運動…6~4億年前
  • バリスカン造山運動…4~2億年前
  • アルプス造山運動…それ以後現在まで

この3つの造山運動に識別されている。現在見られる大山脈の全ては、アルプス造山運動によって出来たものである。

関連項目[]