隠し湯(かくしゆ)は、日本において封建制が存在した時代に、土地の領主が独占的に利用した温泉のこと。温泉地によっては隠れ湯と呼ぶ場合もある。他者に利用させない、すなわち隠すということから隠し湯と呼ばれる。山間部などに位置するものが多いが、甲府市の湯村温泉の様に平地部に近い温泉も存在した。
隠し湯で最も知られるのは武田信玄である。領内には温泉が多いこともあり、将兵の湯治を目的として領内各地の温泉を利用した。武田信玄のライバルである上杉謙信も同様に隠し湯を多く持っていたとされる。
今日では、隠し湯というフレーズは歴史ある温泉、秘湯、効能の高い温泉というイメージから観光宣伝でしばし用いられる。前述の2名が有名であることもあり、「信玄の隠し湯」、「謙信の隠し湯」などがキャッチフレーズとして用いられることが多い。