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震度(しんど)には、以下の用法がある。

  1. 地震学において、地震の揺れの程度を示す指標。震度階級。日本で使われるのは気象庁震度階級
  2. 建築分野において、建築物の耐震性能を表す数値。耐震度。

震度階級[]

ファイル:Peru Quake Aug 15-2007.jpg

ペルー地震 (2007年)の震度分布図。改正メルカリ震度基準でUSGSの推定によるもの。

震度(しんど)とは、ある地点における地震の揺れの程度を表した指標である。数個から十数個の階級(レベル)で表す震度階級震度階とも)を使うことが多い。震度階級にはいくつか種類があるが、現在の日本では気象庁震度階級が使われており、日本では一般的にこれを「震度」と呼ぶ。

総論[]

地震そのものの強さ(地震が発したエネルギーの大きさ)を表すマグニチュードとは異なり、観測する地点によって全く異なるが、基本的には震源に近いほど震度は高くなる(例外としては深発地震などによる異常震域)。また、その土地の地盤の状態や水分の含み具合などによっても違う。

震度の計測[]

現在の日本では機械のみで震度階級を計測する。震度計により連続値の「計測震度」が出力され(実際は小数点以下第一位までが出力される)、これを階級に分ける。

日本以外では、あるいは日本でも1990年代半ばまでは、加速度計や地震計といった機械のデータも参考にされるが、主に人体感覚や被害の程度などによって人が判定する。

主な震度階級[]

震度階級に国際標準はなく、国ごとに定めたばらばらな階級が使われている。以下、主な震度階級を時代順に述べる。

気象庁震度階級 (JMA seismic intensity scale)
1884年に成立。現在は1996年に修正されたものが使用されており、0から7の10段階(5と6が2段階ずつある)。日本で使用。
メルカリ震度階級(Mercalli intensity scale)
1902年に成立。後に何度か修正が重ねられ、メルカリ・カンニーニ・シーベルグ震度階級(Mercalli-Cancani-Sieberg intensity scale, MCS scale)が提案され、1931年にはメルカリ・ウッド・ニューマン震度階級(Mercalli-Wood-Neuman intensity scale, MWN scale)となり、現在では改正メルカリ震度階級 (Modified Mercalli intensity scale, MM scale)という。IからXIIの12段階。アメリカ韓国などで使用。
メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級 (Medvedev-Sponheuer-Kárník scale, MSK scale)
1964年成立。IからXIIの12段階。CIS諸国、東欧諸国、イスラエルインドなどで使用。
地震烈度 (China seismic intensity scale, CSIS)
1980年成立、1999年改正。IからXIIの12段階。中華人民共和国で使用。
ロッシ・フォレル震度階級 (Rossi-Forel scale)
1883年成立。IからXの10段階。Xの適用範囲が広すぎること、ヨーロッパの生活を基にした基準であったため、ほかの震度階級が考案され、次第に使用されなくなった。
ヨーロッパ震度階級(European macroseismic scale, EMS)
ヨーロッパ地震学協会により1988年成立。現在は、1998年に修正されたEMS 98が使用されている。1から12までの12段階。ヨーロッパ各国で使用。

台湾では、気象庁震度階級を参考にした、0から7の8段階の震度階級が使用されている[1]。韓国では、気象庁震度階級を参考にしていたものが使用されていたが、2001年からメルカリ震度階級に変更された[2]

各国の気象機関で公式に使用する震度を定めていないところも多いが、メルカリ震度階級を使用するところが多い。

震度階級以外の震度[]

建築の分野では、耐震性能を震度と呼ぶ数値で表す。これは、鉛直方向と水平方向それぞれの静的加重を建築物の自重で割った値で、それぞれの方向の静的加速度重力加速度で割った値に等しい。なお、「静的」とは、「一定振幅の振動」ではなく、一方向への加重ということである。

実際の地震では最大加速度は一時的にしか現れないので、通常はこの数倍の最大加速度の地震に耐えることができる。ただし、固有振動数に近い地震動などではこの限りでない。

脚注[]

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  1. 地震百問 何謂震度? 台湾中央気象局
  2. 研究速報 福岡県西方沖の地震の韓国を含めた震度分布 石川有三, 日本地震学会 ニュースレター

外部リンク[]