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ファイル:Shizuoka Prefectural Government Office 20090401.jpg

静岡県庁舎別館(奥右)、東館(奥左)、駿府城石垣(手前)

静岡県庁要塞化計画(しずおかけんちょうようさいかけいかく)とは、静岡県にて立案された計画の通称。主に、1993年10月から1996年3月までの静岡県庁舎別館の新築工事を指すことが多い。

概要[]

東海地震の発生に備え、静岡県庁舎では厳重な防災対策が施されていた。繰り返される耐震対応を経て、建築中の静岡県庁舎別館があたかも要塞に変貌していくかのように見えたことから、県内のマスコミらから「要塞化」と比喩的に表現された。2009年静岡沖地震では、駿府城中堀外堀石垣が複数箇所で崩壊したが、同一敷地内に立地する静岡県庁は全く被害はなく無傷であった[1]

背景[]

1995年1月17日兵庫県津名郡北淡町を震源とする兵庫県南部地震によって、阪神・淡路大震災が発生した。この地震では、兵庫県神戸市の兵庫県庁舎など県の庁舎も被災したため混乱し、兵庫県庁の行政機能が一時的に麻痺してしまった。その結果、兵庫県庁兵庫県警察との情報伝達に混乱が見られたり、兵庫県知事貝原俊民自衛隊派遣要請が遅れるなど、兵庫県庁の初動体制に遅れや不備が見られた。これらの行政の対応の遅れによって、のちに日本政府や兵庫県庁は批判に晒されることになった。

立案[]

ファイル:静岡県庁本館.JPG

静岡県庁舎本館

ファイル:Sunpu Castle air.jpg

静岡県庁舎の航空写真(1988年撮影)。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を元に作成。

静岡県知事石川嘉延は、静岡県庁防災体制の強化を積極的に進めていた。兵庫県南部地震での兵庫県庁の初動体制の不備に危機感を強めた石川は、静岡県庁防災局の配下に「緊急防災支援室」(テンプレート:Llang、通称:SPECT)を創設し、地震発生直後から機動的に対応する特別部隊を整備するなど、震災時の遺漏のない初動体制の整備に尽力していた[2][3][4]

しかし、組織や人員を強化しても、静岡県庁舎自体が被災して大規模な被害が発生すれば、県の初動に遅れが出ることは明らかだった。静岡県庁舎本館は歴史的建築物として知られているが、その反面、極めて老朽化が進んでおり、東海地震に耐えられるのかが疑問視されていた。静岡県庁が震災により沈黙すれば、県の初動体制に遅れをとることになり、兵庫県南部地震の二の舞を演じることが懸念された。

時を同じくして、静岡県庁舎は手狭になったことから、隣接する敷地内に静岡県庁舎別館が新築されることになり、1993年に着工したが、上記の問題点を踏まえ、防災対策が重点的に施された。別館は1996年に完成し、静岡県庁防災局や静岡県警察本部など、危機管理に関連する機関を最優先に入居させた。

その後も石川は、防災体制の強化を図り続けた。2009年には、静岡県庁防災局を発展的に解消した危機管理局を設置した[5]。この危機管理局は、従来の防災行政だけでなく、テロ対策、伝染病食の安全など、さまざまな危機に包括的に対処する部局となった[5]アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁テンプレート:Llang、通称:FEMA)をモデルとしており、震災時には静岡県庁の全ての部局が危機管理局の指揮下に入ることになった。この危機管理局も、静岡県庁舎別館に設置された。

施設の構造[]

ファイル:ShizuokaokiJishin-Ishigaki.jpg

2009年静岡沖地震により崩壊した駿府城外堀。駿府城では至るところで石垣が崩壊したが、隣接する静岡県庁舎別館に被害はなかった

静岡県庁舎別館の地上部分は21階建てであり、鉄骨造を採用している[6]。また、地下は2階まであり、鉄筋コンクリート造となっている[6]。なお、高さはアンテナまで含めると110メートルを超える[6]。このような高層ビルにもかかわらず、優れた耐震性を備えている。設計上は、マグニチュード8の大地震が直下で発生することを想定しており、地震動70カインでも全く問題ないとされている[6]。また、建築資材として高強化コンクリートの採用はじめ、通常の1.1倍の強度を持つ鉄骨を採用しており、建物内の柱は70センチメートル角であり、厚さ55ミリメートルに達している[6]

なお、関東大震災を引き起こした関東大地震はマグニチュード7.9、阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震はマグニチュード7.2であり、単純比較はできないものの、理論上は静岡県庁の直下で関東大地震が発生しても耐えうることになる。

電気水道などのライフラインは、フェイルセーフ機構が採用されている。2ヶ所の異なる変電所から緊急受電設備を2回線敷設するとともに、無停電電源装置に加え発電機まで整備されている[6]。給水系統も二重化されており、単独給水設備の井戸まで掘られている[6]。また、建物内には災害時のエネルギー供給用に10万リットルの重油(およそ3日分)を備蓄している[6]

建物内には危機管理に関連する機関が多数入居している。県の危機管理センターが設置されており、災害発生時には、各地から集まる情報を各機関に伝達したり、静岡県知事ら幹部が陣頭指揮を執ったりする施設である。また、その危機管理センターを運営するため、静岡県庁の危機管理局も設置されている。警察関連の機関としては、静岡県警察の本部が置かれている。また、通信指令本部も置かれており、災害発生時にも滞りなく通信指令を発令することができる。

静岡県庁舎別館の屋上には、警察消防、防災など危機管理に関連する諸機関のアンテナが乱立している。また、21階には展望フロアも設けられており、一般の県民の見学も可能である[7]。ただし、静岡県警察本庁が入居しているため、一般の展望台のような受付嬢やエレベーターガールなど容姿端麗な女性は1階には配置されておらず、代わりに無骨で厳つい警察官が多数配備されている。それ以外のフロアはセキュリティ上の観点から完全公開はされていないが、危機管理センターなどは一般公開される場合もある[8]。他の地方公共団体の職員や議員などの見学者も多いが、県外からの来訪者はその威容に驚くことがある[9]

脚注[]

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  1. http://www.asahi.com/national/update/0811/TKY200908110141.html
  2. 「地震対策情報――静岡県の地震対策――地震対策のあゆみ」『地震対策のあゆみ』静岡県地震防災センター。
  3. フジテレビジョン広報部「空白域〜東海地震対策の25年〜」『FNSドキュメンタリー大賞フジテレビジョン2002年10月31日
  4. 小川弘子ほか「静岡県緊急防災支援室の発足とその活動」『災害医学・抄読会 990305』救急医療・情報研究会。
  5. 5.0 5.1 「防災局を拡充、来年度『危機管理局』創設――静岡」『防災局を拡充、来年度「危機管理局」創設 静岡 - MSN産経ニュース産経デジタル2009年2月12日
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 6.7 「地震対策情報――静岡県の地震対策――静岡県庁別館(災害対策本部等)施設案内」『静岡県庁別館のご案内静岡県地震防災センター
  7. 静岡県総務部財務局管財室「静岡県庁別館」『静岡県/静岡県庁別館(21階展望ロビー)静岡県庁2007年7月26日
  8. 「静岡県危機管理センター一般公開」『TSSP.JP:体験レポート|静岡県危機管理センター一般公開』トータルセキュリティSP。
  9. 木村勇夫「指揮所演習」『2007年09月27日のブログ|営業マンから政治の道へ~木村イサオのイサオログ~サイバーエージェント2007年9月27日

関連項目[]

外部リンク[]

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