風(かぜ)とは、空気の流れ全般のことである。
概要[]
現代では「気流」が類義語にあたる[1]。
風は人々に大きな影響を与える。人々は様々な風を区別し、様々な名前をつけてきた歴史がある。例えば以下のようなものがある。
- そよ風、春風(はるかぜ)
- 北風(きたかぜ)、南風(みなみかぜ)、東風、西風
- 海風、陸風、海陸風、出し風
- 偏西風、貿易風、極風、季節風、地方風
- からっ風、春一番、木枯らし、メイストーム
- 台風、ハリケーン、竜巻
- 六甲颪、ミストラル
- ビル風、爆風
風を使って人はスポーツをしたり、遊んだりする。スポーツとしては、例えば、ウィンドサーフィン、ヨット、カイトサーフィンなどがある。他にも、ハンググライダー、パラグライダー、スポーツカイト、凧なども挙げられよう。
強い風は、人々の生活に甚大な影響を及ぼすため、様々な風対策が編み出され、実施されている。例えば、防風林、石垣などが挙げられる。
オランダなどでは古くから風車によって、風を活用する伝統がある。近年では、世界中で、風力発電によって、風を電気の源、エネルギー源として活用することが行われている。
また、古来、風という言葉は眼に見えないものを象徴するためにも使われる。日本語でも意味深い言葉であるが、日本語以外では例えばヘブライ語で風に相当する「ルーアハ」という言葉は深い意味を持っている。(→聖霊の項に説明あり)
気象学的説明[]
現代の気象学においては「風」とは、地球上の大気の水平方向の流れを意味している。大気の垂直方向の流れは、上昇気流または下降気流という。
風の要素[]
風は、風向と風速という要素に分解してとらえることも可能である。
風向は、0度から360度までの方位で表されるが、通常は16方位で表す。「北東の風」は、北東から南西に向かって吹く風を示す。
風速は、日本では秒速 (m/s) で表すのが普通であるが、国際的にはノット (kt) が用いられる。
原因[]
風は、気圧傾度力によって生み出される、とされる。この要因には、高気圧・低気圧、あるいは太陽光による寒暖の地域差などが挙げられる。
風に働く力[]
風に働く力には以下のようなものがある。
- コリオリの力(転向力)
- 地表との摩擦力
- 地球の自転による遠心力
- 地球の引力
風と生物[]
飛行する動物や滑空、バルーニングするものは当然風の影響が大きい。植物では風媒花は風によって花粉媒介を行い、風による種子散布を行うものもある。強い風は生物の散布に大きな影響を与えることもある。例えば日本では夏以降にカバマダラなど熱帯産のチョウが迷蝶として出現する例があるが、これは台風の風に乗って運ばれてくると言われる。
しかし風そのものが生物に直接に危害を与えることがある。特に寒冷地や高山では風の影響が大きい。体感温度はおおよそ風速1mごとに1℃低くなると言われ、低温ではさらにその影響が大きい。しかも、高山の尾根筋などでは非常に強く風当たりがあるので、風によって生物群集が規定される。そのような場所は風衝地と呼ばれ、そこに成立する群落を風衝群落という。そのような群落は、普通背が低く、群落の上面には葉が密生した層を作り、そこから突出する枝葉はほとんど無い。同様の森林は、海岸の風当たりの強い場所にもあり、やや背は低いが、見かけは似ている。この場合、風がもたらす線分が低温と同様の効果を与えているものである。
また、樹木が伸びられる場所であっても、尾根筋などの風の強い場所では、その枝が片方だけに伸びたものが見られることがある。これは、風下にだけ枝が伸びたことによる。
文化における風[]
空気全体の動きということで、全体的な雰囲気の方向のような意味で風が使われる例が多い。選挙において「無党派の風が吹いた」とか、「逆風が強かった」等という。また、芸術やファッションなどにおいて○○風(ふう)というのもこれに近い。
関連項目[]
- 風力、風速計
- 気象、天気予報
- 風が吹けば桶屋が儲かる
脚注[]
- ↑ 出典:広辞苑
関連項目[]
- 博物館
- 風の館 (北海道、襟裳岬)
- 人工的に風を起こす物
- 扇風機、換気扇
- うちわ、扇子
- 風洞
- 風にちなむもの
- 「強風」 (戦闘機)
- 風の谷のナウシカ
- キアヌ・リーブス (風にちなむ名の俳優)
- 爆風スランプ
- 風を神格化したもの
- ヴァーユ
- 風天
外部リンク[]
- 風の辞典
- 風の館 (襟裳岬)
- 「Wind」 - Encyclopedia of Earthにある「風」についての項目(英語)。
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